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2019/08/29

ワークマンは疲れからかセルゲイを手酷く抱いてしまったので、なんとなく気まずい。
サルポザxドッグヘッド要素もすこし。


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その日のワークマンは少し気が立っていた。

下級の下位の掃溜めのような者どもの失態で無駄な仕事が増えてイラついていた。
挙句、神経を逆なでするようなその仕事にようやく決着が付いたものの、休んではどうかと提案してくれた弟子たる沈黙のセルゲイにつまらない苛立ちをぶつけ、手酷く抱いてしまった。


サルポザ様に報告すべくマンション・ド・サルポザへと足を運んできたものの、体の倦怠感もささくれだった精神も不快でならない。
これからサルポザ様にお会いするというのに――深いため息を堪えながら、巨体である自らでも大きいと感じるほどの扉をノックした。

「俺だ」
「はい、はい」

扉を開いたのは、ついさっきまで風呂に入っていたと分かるほど軽装で髪も濡れたままのドッグヘッドだった。

「……サルポザ様は?」
「長風呂にするそうよ」
察する。
慣れた様子でソファに座りくしゃくしゃと髪を拭くドッグヘッドを見て、思わず眉を顰める。

「獣人と人では子も成せないだろうに」
こぼしてしまった言葉に、俺はすぐさま自分の失態を呪った。

獣人にも拘わらずサルポザ様に認められ首脳部へと上り詰めた彼女にいう言葉ではないし、子の成らぬ行為などカシュパではままあることだ。
自分だってついさっき行ってきた。自爆ではないか。

「貴方が言うの?男の弟子に手を出しているくせに」
彼女も分かっているようで、ドッグヘッドは鋭い牙を見せて呵々と笑った。

「失言だった」
「いいわ。あなた、どうせ疲れているんでしょう。休んだらどう?」

嘲笑交じりの言葉に、苛立ちをぶつけてしまったセルゲイのことを思い出す。……はあ。

「そうしよう。例の案件は片が付いたと伝えておいてくれ」
「ええ」

ドッグヘッドはよほど愉快だったようでいまだに笑みを浮かべていた。


ぐっと眉間を揉み、ため息は漏らさぬように部屋を出る。
セルゲイはきっと謝罪を受け入れたりはしない。師匠が思うがままにすればよいのだ、というふうに育ってしまったので、気にもしていないだろう。
気まずいのは俺だけだ。

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