翌朝
今日は自分の12度目の生誕日だ
暗く沈んだ気分を変えて教室の扉を開けた
「おっはよー!」
ゴンザは明るい大きな声でそういった
皆の視線が一斉にこちらに向いた
こんなことは一度もない
皆、いつもは思い思いに楽しんでいるのに
ゴンザは戸惑った
何か、あったのだろうか
「え?何?」
「お前…
貴 族 ら し い な ? 」
隠していた真実
ゴンザは唇を噛んで俯いた
「とーちゃんに聞いた。お前あの丘の上のでかい家に住んでるんだろ?」
「どーせ俺らを見下して笑ってたんだろ?」
そんな事ない
ただ勉強がしたくて
皆と触れ合いたくて
それだけなのに
アリスがはらはらとしながらこちらを見ている
あぁ、君だけは心配してくれるんだ
「そのピアスも、着てる服だって俺らとは違う。小綺麗にしやがって…」
「出て行けよ!!お前なんかいらねーんだよ!!」
…必要が無い?
じゃあ、気を使う必要も無いね?
「あんたたち!そんな「あぁ…そんなに見下してほしかったんだね?
今まで我慢してあげてたのに…
存分に見下してあげるよ」
アリスの助言さえも遮ってそう言った
アリスは絶望の目をこちらに向けた
…でもその目はやはり輝いていて
むしゃくしゃして、大きく嘲笑して廊下へ出た
途中で教師とすれ違う
大声で怒鳴られる戯言など気にしないで外へ出た
ちゃんと付いてくるクラスメイト達
「あほらしい位律儀だねぇ?」
鼻で笑って大通りを駆け抜ける
視線の先は…リンの待つ城
(待っていて、必ず迎えにいくから)
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