「う…っぐ、ふ…」
濡れた音が部屋に響き、椅子に座った大柄な男はクス、と笑った。
「もっとだ。もっと奥まで入るだろう?」
ぐい、と頭を押さえつける。――苦しげなうめきがまた漏れる。
男の前に跪いた俺は、目に生理的な涙を浮かべて必死で酸素を求める。
いつも付けているサングラスは無造作に床に投げ捨てられ、潤んだ目は存分に晒されている。
大柄な男は其の涙を指で拭い、優しく微笑んだ。
――だが、放たれる言葉に優しさは一欠けらも存在しない。
「歯を立ててくれるなよ?いつでも仕置きは出来るのだからな」
組んだ足の片方でぐり、と俺の自身を踏みつけ、くつくつと笑う。
俺は喉の奥を突かれ、目を見開き震えた。
頭を押さえつける手を退かそうと試みるが、不可能だった。
寧ろ、更に力が加えられていく。
何故、何故こんなことに。
苦しい、痛い、このままでは死んでしまうではないか――!!
頭の中は其れでいっぱいで、また大粒の涙がぼろぼろと零れた。
――もう駄目だ。意識が遠のく、その時。
どくんと喉の奥に粘つくそれが放出され、俺は激しくせきこんだ。
口の端からは喉の奥に入り切らなかった白濁の粘液が滴り落ちる。
苦く生臭い粘液を吐き出すが、男は其れを咎め、指で粘液を掬い上げ俺の口にねじ込んだ。
「全部飲め。全部だ」
こんなもの、飲めるはずがない。
だが、飲まなくてもいいと言う筈がなく、俺はぎゅっと目をつぶった。
粘つく粘液を無理矢理舌で喉に押し込み、飲み込む。
気色の悪い感触が喉に残った。
「よくやったな。えらいぞ、**」
大柄な男はそう言って笑い、優しくくしゃりと髪をかき混ぜられる。
けれど、優しくされてももう信用は出来ない。
どん、と男の体を押して逃げようとしたが、あっさりと腕をつかまれてしまった。
「どこへ行く?まだ行為は終わってはないのだが?」
笑顔。――ぞくり、背筋が凍った。
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