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2007/12/30

なんという純愛これは砂糖吐く
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「すっ…好きです!」
「…は?」

間抜けな返事とともに彼、リオが狩っていたハーピーが情けなく地に倒れた。




――二人の間に沈黙が走る。
マキは唇をかみ締め、忙しなく手をいじっている。

リオは相変わらず眉を顰めて固まっている。

…そんな空気に耐えられず、マキは一目散に逃げ出した。

「やっぱりなんでもないです!!!」
「お、おいっ!ちょっ…!」

リオは慌てて追いかけてきた。
マキはそれに気付くと顔を真っ赤にしてさらに逃げる。

「何で逃げるんだよ!!」
「はっ…恥ずかしいんです!!!!」

マキは涙目でそう叫んで、また逃げる。
リオは足を縺れさせつつも追いかける。

…よく分からない掛け合いを続けながら、二人はmobも人もいない、二人きりで平原を走っていた。

「ッ…は、捕まえた…っ!!」
「ひゃっ…」

がし、と腕をつかまれ崖に押し付けられる。
じたばたと抵抗したが女が男に…スカがヲリに勝てるはずもなく、まったく身動きが出来ない。

「何のつもりで?」
「やっ…あ、あのぅ…」

かー、と顔が赤くなるのがわかる。きっと触ると熱い。

「わ、私ずっと前から気になってて…でも恥ずかしくって…」

もじもじとうつむいて手をいじる。
リオははぁ、と溜息をついて持っていた斧を崖に立てかける。

「なんだよ…聞いてないよ、そんなの…」
「で、ですよね!すいません忘れて下さ…」

ぎゅう、と抱きしめられた。多分。
その時のことはあんまり覚えてない。

「あ、あのあのっ」
「うそ。パラスからちょっとだけ聞いてた。でも嘘だと思ってたよ」
「へ、わ、ぱ、パラスさんのばかあああああ!!」

兄に相談するのは参考にならなさそうなので除外。
その兄の友人兼同じ部隊メンバーのパラスにちょこーっとだけ話したが。

パラスとリオが仲の良い友人だということを忘れていた。

「あのっ私…」
「うん。俺も好きだよ」
「ふぇゃあああ!?」

思わず奇声を上げてしまう。
聞き間違い?いや、聞こえた。
空耳?そんなはずがない。

今のはなに?え?俺も好き?ええ?

「前から可愛いなーって思ってたし」
「あ、あのう…」
「付き合ってくれる?」

えいやえいやと流される。
言いたいことがあるはずなのに言わせてもらえないような空気。

私でいいの?とか、冗談じゃないの?とか。

「うん。これからもよろしくね」
「あ、はい。…って、ええ!?」
「俺戦争行くからまた後で。次鋒行きます!ギャアーッ!」

くすくす笑いながらリオは走っていってしまい、すぐに豆粒になってしまう。

マキはぽかんとしたままその場に取り残された。




「お兄ちゃん!また女の人と遊んでたでしょ!」
「そういう妹よ。昨日一緒に歩いてた男は誰だ」
「!」




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