「きりーつれーちゃくせーき。」
「おい、厳山は何処だ。」
「…また行方不明になってる!!!」
ぎゃあぎゃあと教室内が騒がしくなる。
織は「うるさいな…」と小さく溜息をついた。
場所は変わって屋上のタンクの上。
一人の少女がそこに寝そべっていた。
ぽかぽか、ぽかぽか。
温かい日差しが体を包む。
なんだか下が騒がしくて、ゆっくりと目を開けた。
空はどこまでも青く、雲は白い。
ポケットから携帯を取り出して時計を見る。
2:58
…とっくの昔にHRが始まっている時間だ。
「…!!居眠りしてた…くそ、また先生にどやされる。」
少女は短い髪をかき上げ、わたわたと無意味に慌てた。
ぽかぽか、お日様が照っている。
…気持ちいいのだが、これのせいで寝過ごしたのだ。
「お日様のばかやろっ!」
そう呟いてタンクの縁に手を掛け、飛び降りる。
その時。
「…え?」
「探せといってもな…第一顔も知らない。」
クラスメイトだからといって、まだ始まって3ヶ月も経っていない。
名前と顔が一致しないのも無理ないことだ。
とにかく、サボりには丁度いいかもしれない。
…探してましたといえば問題はない。
定番というかなんというか、サボるのは屋上と決まっている気がする。
たんたん、と階段を上がってノブに手を掛ける。
キィ、と扉がきしんで、温かい日差しが肌に触れる。
その時。
「(…影?)」
不審に思って見上げた。
肌色と、青。
「ひやぁあああああ!!!!」
「っ!?」
どしゃあっ!
「ごっ!ごめん!俺様いそいでるからっ!」
「ちょ、え、おい、」
短く、黒くて艶やかな髪に赤いメッシュ。
忘れられそうにもない青。
「ぱ…ぱんつ見られた…俺様としたことが…」
キリ「!!ぱんつ電波受信!?」
PR