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2007/12/02

えろい。

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「ん、やぁだ…こんな所で…。」
「嫌なら移動するけど。」
「んもう、意地悪な人…わかってるくせに。」

くすくす、と女は笑った。赤いルージュが妖艶に光る。
ネロは女の首元に顔を埋めると、舌を這わせた。

賑わう商店街の脇の暗い路地裏。
光はあまり入らず、逢引には丁度いい場所かもしれない。

女の所属している国は知らない。
カジノで暇そうにしていたら声をかけられただけ。
べつに、好きとか嫌いとか、どうでもいい。

「手、冷たいのね。炎を操っているって言うのに。」

女は悩ましげな息を付いてぎゅっと手を握った。
べつに、と素っ気無く手を離すと女は残念そうな顔をする。

「しってる?貴方、あたし達の間ではとても有名なのよ。」
「…ふぅん、どういう話?」

くすくすと笑って露出した白い太ももを指でなぞると、女は少し震えた声でそっと囁いた。

「女じゃ、満足できないの?」
「…は?」

太ももを撫でる手が止まる。
確かに、女なんて誰でも良いし求められたから抱くまでだ。
…けれど、

女じゃ、満足できない?

「俺、ホモじゃないから。」
「あら、違うのかしら?」
「…怒るよ。」

赤い眼を細めて言うと、女はクスリと笑った。

「今日の所は勘弁してあげる。また連絡して。」

赤い唇が押し付けられて、すぐに離れる。
女が立ち去ったあとにはヒラリ、と白い紙が舞った。

紙にはTellと名前だけ書いてあった。
ぐい、と唇を拭うと手の甲に赤いルージュが付いた。

はぁ、と溜息をついて路地を出ると、そこには一人の少女が立っていた。

「お兄ちゃん。」
「マキ。」

驚いたように眠そうな目を開く。
妹…マキは腰に手を当てて妙に怒っていた。

「どうした?リオさんは一緒じゃないのか。」
「お兄ちゃん、また女の人と遊んでたでしょ!」
「遊んでない。話しただけだ。」
「嘘つき!香水がぷんぷん匂ってる。」

…そういえばきつい香水の匂いが自分の体にまとわり付いている。
家に帰ったらすぐシャワーを浴びようと思った。

「…はいはい、遊んでました。で、何?」
「もーっ!!お兄ちゃんも恋人探したら?あたしの友達、皆いるよ?男同士の人もいるし。」
「…ま、いつかね。リオさん取っちゃったらごめんなー。」

ふ、と笑って怒鳴るマキの隣を通り抜ける。
男同士か、と小さく呟いて青い空を見上げた。



「なあパラス。」
「どうした?相談とは珍しいな、ネロ。」
「男同士って気持ち良いのか?」
「…しるか。じゃあ、うちの部隊の副隊長に聞いてみろよ。語ってくれるぞ。」
「…あー…やめとく。(なんかムキムキだったら怖いし。)」


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