戦争中に見つけてはならないものを見つけてしまった。
ねずみしようと思ったら「先客」がいたのだ。
…敵国同士で逢引ですかそうですか。
戦争中にそんなことしてんじゃねぇ!
と、邪魔してやろうかと思ったが可哀想かなと思ってそっとその場を離れた。
そしてやって来たのは僻地のクリスタル。…ここにも先客がいた。
それはHPが半分くらいで、回復しようと座っているソーサラーだった。
これは美味しそうな背中だ、とスキルをパニにしてじりじりと近付く。
…と、なにやらボソボソと呟いているのに気がついた。
「スタンにジャッジなんてしてないのに氷にジャッジなんてしてないのに…ないのに…ないのに…」
…なるほどこいつは雷皿♂か。よくみると体育座りだし。
何だかからかってやりたくなって、パニじゃなくてハイドにしてみる。
目の前でハイド。黒い煙がブワッと。
…いや、気付けよ、おい。
HPはもう満タンなのにまだじゃりじゃりとクリスタルを掘っている。
…こいつ馬鹿なんだろうか。やっぱり雷皿♂だからか?
とことん自分は雷皿を馬鹿にしているなぁ、と自嘲する。
長い三角帽子をつまみあげると、やっと慌て始める。
「あれ、帽子…… …ヌメヌメしてないのに…」
あっるぇー。
ダメだこいつ、と思いつつ顔を覗き込む。
サラサラの金髪に涙で濡れた蒼い瞳。
あっるぇー。
「ヌメヌメしてないか試してやろうか?」
「え?」
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雷皿♂最低だな。
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