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2007/12/25

歪んだ愛情 4

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その日劉邦はやけに楽しそうに部屋に入ってきた。

…この前のことがあるからだろうか。

その手には小さな包みがぶら下がっている。



「今日は甘党の兄上にお土産があるんですよ。」



にっこりと笑い、包みを手渡される。

それを無言で受け取ると、背を向けて小包みを開けた。

中には淡い抹茶色の塊。ほのかに甘い匂いがする。



…それは、この部屋に入る前まで贔屓にしていた店の物だった。



「好きでしたよね、それ。」

「…知っていたのか。」



劉邦は何もいわずに微笑み、その菓子を薦めた。



一口、甘い。

二口、懐かしい。



ぽたりと雫が落ちる。

甘いはずのその菓子はほのかにしょっぱかった。



「如何して泣くんです?涙は悲しい時に流すものだと思いますが…兄上は何が悲しいのですか?」

「…貴様には分からんだろうな。」



ぐい、と涙を手の甲で拭って呟く。

劉邦は何がなんだか分からないような顔をして首をかしげた。







「…貴様は食べんのか。」



たまには気を利かせてやろうとそういったのに、劉邦は頭を横に振った。



「…むしろ私は貴方を食べてしまいたい。」

「云ってろ。」



こういうところが苦手なのだ、私は。

彼の口が紡ぐ一言一言は甘く、心に突き刺さる。



ち、と舌打ちをしてやけくそに菓子にかぶり付く。

劉邦はぼんやりとそれを見ながら呟いた。



「私はね、貴方を抱きたいわけじゃないんですよ。」

「…!?じゃあ何故この間っ…」



向き直りそう怒鳴ると少しだけ考え込み、言った。



「そう…ですね。言うなれば…」





そう、それは食欲に似た何かで





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