風呂に入りませんか、と
そんなことを言われた。
なんだか…身の、危険を感じる…。
のぞきとかのぞきとかのぞきとかむしろ乱入とか、劉邦はそんなことを仕出かしかねない。
それなのに「入る」といってしまったのは、最近風呂に入っていなくて、気持ち悪かったせいだろうか…。
久しぶりに入る湯はとても心地良く、苛々が流される感じがした。
ただ、やはり問題はあった。
「…で?何で貴様がいる。」
無駄に広い風呂。
そこには自分しか入っていないはずだったのに、そこには何故か劉邦もいた。
「あれ、一緒に、と言いませんでしたっけ?」
「…。」
劉邦はわざとらしくそう言ってにこ、と笑った。
眉を顰め溜息を付き、距離を取る。襲われたくない。
近付けない様にして風呂を十分に満喫することにした、が。
「背中、流しましょうか?」
「自分で洗え… ……」
ない。
先ほどまですぐ傍に置いていたはずの石鹸等がない。
恐る恐る顔を上げると、そこにはタオルと石鹸をもって不適に笑う劉邦がいた。
「綺麗な肌ですね。滑らかで白い。」
「いいから早く洗え。」
…背中を洗う劉邦の手は珍しく温かい。
それはきっとちょうどいい温度の湯で温められたからなのだろう。
ざぁ、と湯が泡を洗い流す。
終わったのか、と立ち上がろうとすると、劉邦の手が引き止めた。
「…兄上。」
「何だ。」
「この間…私は貴方の事を愛していると言いましたよね。」
「…あぁ。」
チ、と小さく舌打ちをして座りなおす。
背を向けているので彼の表情は見えないが、酷く楽しそうだ。
「ということはもちろん、こういう感情も在る、と。分かっていますか?」
「な、っ!?」
ずるり、と劉邦の白い手が腹に伸びる。
抱きしめられるのではなくその手はそのまま下に降りて行く。
「まさっ…止めろ!」
目を見開き、叫ぶ。
しかしその手は止まる筈もなく、劉魂のソレを握った。
「ヒッ…」
「なぁんだ、もしかして兄上、期待してたんですか…?」
耳元で甘い声で囁かれ、びくん、と体が震える。
…しばらくしていなかったからだ、そう言おうとしたが滑り出るのは嗚咽のみ。
握られたソレは熱を持って、ぴくぴくと震えている。
くすり、と笑い、先を親指でぐりぐりと捏ね回す。
「もうこんなにして。恥ずかしく、ないんですか?」
「やめ、ふ、ぅ…っ」
「可愛い兄上。ホラ、こっちを向いて、楽にしてください。」
ぽろぽろと情けない顔で涙を零す。
そんな涙のあふれてくる目に軽く口付け、手をさらに後ろに滑らせ、弄る。
石鹸で滑りのよくなった指は抵抗する劉魂を嘲笑うかのように容易に中に進入した。
「い、ぁあっ…!?」
びくん、と震え目が大きく見開かれる。
何度も唇を奪うと、さらに奥にねじ込む。
「ヒ、ぁ…!」
「ここ、ですね」
ニィ、と愉しそうに笑い、其処ばかりを攻めた。
…地獄、だ。直ぐにでもイってしまいそうなのに、劉邦はそれを許さない。
劉魂はがくがくと腰を震わせて劉邦に縋り付く。
そしてその背中に、爪を立てた。
「私の兄上…絶対に、貴方は私のモノです」
「ひ、ぁ――っ!!!」
貴方が爪を立てて私を切り裂こうとも、
何処へ行こうとも。
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