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2008/09/30

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「じゃあ聞くけどな、ゴンザさんよ。…王をどこにやった」



口を開いたのはエースだった。
随分、年を食っているな。よくあれで護衛など出来るものだ。



くす、と呆れるように笑って、残酷な現実を告げた。



「君達、それくらいもわからないの?オイラが殺して捨てちゃったけど?」



ひ、と誰かが息を飲んだ。
巫女と呼ばれる少女だ。こういうものには耐性がないのだろう。



その中で、唯一冷静を保っていたキングが呟いた。



「もう一つ。ジャックはどこだ?」
「彼女はオイラの庭にいるよ。ゆっくりと、調教してる」

「…歪んでるな」



キングは皮肉そうな笑みを浮かべて、ゴンザを睨みつけた。
気にするそぶりをまったく見せず、ゴンザは背を向ける。



「…ま、オイラはジャック君調教のために帰るから」



びちゃ。
足首に濡れた感触が走る。



目を落とすと、ずたずたで真っ赤な血に覆われた手が足首を掴んでいた。



「逃がさ…へんでぇ…?」
「おや、君まだ生きてたの?クス、しつこいね…こっちにくればいいのに」



「アホか…げふ、人殺したくてこれ入ったんちゃうねん…っ!」



ジョーカーは自分の槍を掴み、こちらに向けた。
…本当に、しつこい男だ。



「折角生き延びたのに。もったいないねぇ」



銀色の鎖が、ジョーカーの脚に、腕に、絡みつく。



「さよなら。きっと…もう会うこともないでしょ」



ぐしゃ、と肉と骨を断ち切る。
その生々しい感触が鎖を伝って、感じる。



そう、これ。オイラはこれが好き。



満足して、完全に転移の扉を開く。
真っ赤な薔薇の花びらが扉の向こうから溢れて、舞う。




背後から、少女の悲痛な叫びが聞こえた気がした。






(任務、完了。すぐに帰るから)



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