…あまりにもあっけない終わりだった。
兵士は単純で雑魚。
鎧も着ずにどうどうと入ってきた自分に驚いたのか、それとも「ゴンザ」という存在に恐怖を覚えたのか。
気化系の毒を振りまくだけで全て終った。
「…君は、これで満足か?」
王は言った。
この前に見た、キングという男と同じ顔。
腹を抉られていると言うのに、歪まない表情。
「私は、未練たっぷりだがな」
「…」
下らない戯言。
笑い飛ばして口元を歪ませ、首を切り落とした。
虚空を捻じ曲げ、扉を開く。
その扉の向こう側は奈落のような地獄のような、死体の積みあがる掃き溜め。
「…なんで、王の弟が[キング]なのか…ねぇ、なんで?」
王の髪をつかみあげると、ぶらんと生首がぶら下がる。
だらしなく開いた唇からは赤い鮮血が滴っている。
死体は答えない。
わざとらしい溜息をついて、「もうしゃべれないか」と呟いた。
ゴンザはそのまま、笑いながら扉の向こうに王の死体を放り投げた。
不意に背後に気配を感じて、自分に向かって突かれた槍をかわす。
「…よぉ、やってくれたな?」
「おや、ジョーカー君…だったかな?君は…」
「覚えてもろて感激やわ!」
そう言ってジョーカーは槍を向けてくる。
さて、どうしたものか。
考え込んだまま相手の攻撃を避け続けていたが、意外と結論は早く出た。
「バラしてあげるよ。特別にね」
「そりゃあ、光栄で」
(愛してはいないけど分解してあげる)
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