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2008/07/12

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じゃり、鎖が音が立てる。



「…っ!?」



雁字搦めの鎖の中のジャックが息を飲むのが聞こえた。
読みかけの本にしおりを挟み、ソファから腰を上げる。



「おはよう…って言う時間じゃないか」



そう声をかけると、ジャックが顔を上げた。
鎖に手足をとられながらも、キッと睨みつけている。


「オイラの暗殺具は薬だってこと…忘れてたわけじゃないよね?」



沢山の種類の薬、毒の入った大きな戸棚をコンコン、と叩く。
ジャックは悔しそうにぎり、と歯を噛み締めた。



「紅茶か…何を入れた?」
「聞きたい?」



クス、と笑うとジャックはまた睨んでくる。
おお怖い、と呟き戸棚から小瓶をいくつか取り出す。



「これと、これと…眠り薬と痺れ薬なんだけどね、特徴があって」



近付いて、そっとジャックに指を伸ばす。


頬を撫でるとビク、とジャックの体が跳ねた。

ジャックは信じられない、と言う顔をする。



「合わせると、媚薬になるんだ…」



耳元で、囁く。
軽く耳朶を甘噛みすると、ジャックの口から小さな嬌声が上がる。



「無理やりでも…って、言ったよね?」



彼女の膝が、がくりと曲がり、落ちた。
それを見下ろして、ゴンザはくすくすと笑った。



「はっ…ぁ…何を…する気だっ…」
「ふふ…大丈夫、優しくするよ」



高潮した頬を撫で、桜色の唇に口付ける。


不意に唇に痛みが走り、離れる。

つぅ、と赤い血が唇から流れ出た。
ジャックは何も言わずにそれを見つめている。



「噛むだなんてね…痛いなぁ…。調教のしがいがありそうだよ」



ぐい、と鎖で両腕を引き上げ、噛み付くように乱暴に口付けた。
また唇を噛む暇のないように、舌を咥内で暴れさせる。



彼女の抵抗する力が弱まってきた所で、鎖で縛り上げたままベッドに運んだ。



「いやっ…やめ…」
「だぁーめ…」



妖しく笑い、喚きそうになるジャックの唇を、また口付けて塞いだ。




(もう逃がさない。君はもう僕のもの。)





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