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無題
2007/01/22
14
目を開けると知らない部屋にいた
広めの…清楚な部屋
鏡と、ベッドと、観葉植物
…ここは、どこなのだろう
やけに耳鳴りがして頭が痛い
隣には静かに寝息を立てているリンがいた
小さく微笑んでその頭を優しく撫でる
とにかく…何かが違う
自分の中に何かがいるかのような…
ふらふらと立ち上がり、鏡に歩み寄る
何か変わったと思いたくはない
…しかし
「何、これ…」
絶句した
何故?
そうしてこんな事に?
…両の目が、赤い
あの薬のように
「っ…そうだ…」
リシェッドと、父と、王
憎むべき人
死んでしまえばいい
リンと自分をひどい目に合わせて
…殺したい
でも
そいつらを愛する人も、いるんだから
駄目だ
殺すなんてしちゃいけないことだ
そう自分に言い聞かせて
歪んだ想いを必死で止めた
『さぁ、壊せ』
頭に響く声
うるさいよ
オイラは…壊しなんかしない
『 壊 せ 』
がしゃんっ!!
気が付くと傍にあった花瓶を割ってしまっていた
手の平から血が流れた
「痛…」
赤い、血
まだ自分は化け物じゃ無い
まだ、血が赤い
そう想いつつ、包帯を探した
『お前は必ず誰かを壊す
愛しい人もな』
頭の中で囁き続ける声
頭に響いて、とてつもなく痛い
もうやめてよ
もういいじゃないか
頭を抱えてそう嘆き続けても
声は何時までも止まなかった
(いつかこの声に洗脳されてしまいそうで怖いんだ)
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